紫外線は適切な量を浴びると有益

ある最新の科学レポート**は、まさに居住まいを正して耳を傾けざるを得ないような強い関心を政府に起こさせました。 紫外線は適切な量を浴びることで有益となり、過剰に浴びてしまうと有害であることが示されたのです。 十分なビタミンDを摂取することは健康に不可欠であり、UVB(中波紫外線)を浴びることは最も重要なビタミンD源です。 さまざまな研究により、UVBおよび/またはビタミンDは、10種類以上のガン、多発性硬化症、骨粗鬆症、その他多くの重大な病気のリスク低減に関係していることがわかりました。 それとは対照的に、過剰な紫外線照射は、皮膚ガンや白内障と関連があります。 したがって、問題は適切な量の紫外線を浴びることです。 つまり、紫外線を浴びないようにするのではなく、実は十分な紫外線を浴びることなのです。

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科学レポート

すぐれた科学者であるWilliam B. Grant、Cedric F. Garland、Michael F. Holickは、不十分なUVB照射およびビタミンDにより生ずる病気の経済的コストを推定するために、公表された科学的レポートのデータを分析しました。 これには、十分なUVBおよびビタミンDを摂取すれば予防できると合理的に考えられる症状だけが含められました。 同じことを過度の紫外線照射についても行い、英国の推定値を算出しました。 これらの科学者は、次のように結論しました。 「私たちは、ビタミンD不足によるガンで、米国では年間50,000〜63,000人、英国では年間19,000〜25,000人が早世していると推定しています。 不適切な日光UVB照射、食事、サプリメントから生ずるビタミンD不足による米国の経済的負担は、2004年には400〜560億ドルにのぼると推定されます。 一方、過剰な紫外線照射により生ずる経済的負担は、60〜70億ドルと推定されます。 これらの結果は、UVB照射、強化食、サプリメントによってビタミンD摂取量を増やすことにより、米国、英国、その他の医療負担を減らせる可能性を示唆しています。 これらの推定値を確認するには、さらなる研究が必要です。」

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メディアに衝撃を与える

この主張は、メディアに大きな衝撃を与えました。 そうだとしたら、政府は、皮膚の問題を、体全体の公衆衛生政策の問題にすり変えてしまったというのでしょうか? (これはメディア・キャンペーンに納税者のお金を使って、人々に日光浴やサンベッドを使わないようにさせたことにも関わってきます。) 政府は一方的な意見に基づいて、行き過ぎた行動をとってしまったのでしょうか? たしかに、周知のように、紫外線の過剰照射を繰り返すことによる皮膚へのリスクはあります。 しかし、日焼けを避ける域を超えて、紫外線照射を減らすことは賢明なことでしょうか? おそらく、そうではありません。 世界中のすぐれた専門家の多くは1回のサンベッド使用による照射量を70〜75% (1 M.E.D.*** の約70〜75%) に低下させれば、安全なばかりでなく定期的な健康的習慣として望ましいことだと主張することでしょう。 これは、タイプ1の皮膚を持つ人やその他のハイリスク・グループの人でなければ、16歳以上のすべての人に当てはまることであり、とくに高齢者にとっては望ましいことです(高齢者は年をとるにつれて日光浴を減らすどころか、増やす必要があるのです)。 これこそ、私たちが今ここで扱っている画期的な科学的仮説です。

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ビタミンDとUVBは健康のために不可欠

科学者たちのレポートは、以下のような言葉で始まっています。 「ビタミンDには健康上、多くの重要な効果があり、最高の健康状態を得るには、血清中に適切なレベル(のビタミンD)が必要であることを示す証拠が急速に増えています。 また、日光の(UVB)照射は、極地近辺の地域以外の人々にとって、主要なビタミンD源であることを示す研究もあります。 しかし、このような証拠があるにもかかわらず、公衆衛生の指導者は、最高の健康状態を維持するうえで日光のUVB照射とビタミンDが果たす役割を受け入れるのが遅かったのです。 その原因の一部には、皮膚ガンのリスクが広く知れ渡っているのではないかという懸念にありました。」 そこで科学者たちは、利用できるデータに基づき慎重に計算することで、UVB/ビタミンDとの関連が知られている一連の病気について診断および治療(死亡コストを含め)のコストを推算するためのモデルを作りました。 その上で、通常の健康的なライフスタイルの一部として十分なUVB照射/ビタミンDが摂取された場合に、これらの病気の発症が予防される率を算出しました。
そこで得られた推定値は、明らかに不十分なUVB照射/ビタミンDと関連のある疾病による経済的負担は、UVBおよびUVAの過剰照射に関わる経済的負担の何倍にも及ぶことを示していました。紫外線の過剰照射の主な金銭的コストは、白内障の治療に関するものであり、驚くべきことに、メラノーマや非メラノーマ性皮膚ガンに関するものではありませんでした。 一方、UVB照射/ビタミンDは、多くの深刻な体内ガンの予防に関係していました。 これらのガンは、金銭的にはもちろん、人の苦痛という点でも、治療が非常に高くつきます。あらゆる分析と計算を行った後で、この推定値から英国についての数値が推定されました。

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ビタミンDとガンの関係

不十分なUVB照射およびビタミンDにより経済的負担となると考えられている疾病は、ガン、多発性硬化症、および骨粗鬆症による骨折です。 心臓病、糖尿病、結核、および骨軟化症は、数値には一切含まれていません。 もしこれらを含めれば、不十分なUVB照射およびビタミンDによるコストは、この数値の数倍にも増加するでしょう。 経済的負担の算出に使用された紫外線の過剰照射に関係する疾病は、白内障、メラノーマおよび非メラノーマ性皮膚ガン、光線性角化症(後に皮膚ガンに変わるおそれのある「無害な」皮膚症状)です。
現在、18種類のガンについて、UVB照射/ビタミンDにより、どの程度、予防可能かを調査中です。しかし、この分析の目的には、以下の「ビタミンDに対する感度の高いガン」が含まれていました。膀胱ガン、乳ガン、子宮頸ガン、大腸ガン、食道ガン、胆嚢ガン、胃ガン、喉頭ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、直腸ガン、腎臓ガン、子宮体ガン、ホジキン病および非ホジキン・リンパ腫です。
UVB照射/ビタミンDの新たな現状について、すべての科学者の間でコンセンサスが得られるまでは、一般に是認された事実にとどまるほうが賢明でしょう。 これについて詳しくは、次号でご紹介します。

* 科学者は、立証という言葉は使いたがりません。この主張がどの程度現実的であるかを示す完全な説明は、この記事のパート2に記載される予定です。
** 「Journal of Photochemistry and Photobiology」誌、第81巻、第6号、1276〜1288ページ。
題名「Comparisons of estimated economic burdens due to insufficient solar ultraviolet irradiance and vitamin D and excess solar UV irradiance for the United States」
筆者 William B. Grant, Cedric F. Garland, Michael F. Holick
*** 最小紅斑量

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