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2014.04.11人間には習慣的な日光照射が必要−SRF (Sunlight Research Forum)のプレスリリースの紹介

人体には習慣的な紫外線照射が必要

日光はビタミンDのみでなくそれ以上のものを与えてくれる可能性があります。
研究者たちは、太陽の光を浴びることによるがん予防はビタミンDの効果によるものだけではないという疫学的研究のシステマティックレビュー(※1)を行いました。彼らは、ほとんどの疫学的研究が習慣的な日光照射は結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、そしてNHL(免疫系の癌)のリスクを低下させることに関わっていると示唆していることを発見しました。私達の身体は一年中日光を必要としているのです。

※1 世界中の研究データ(論文)をくまなく探して、データの偏りを限りなく除き、分析を行うこと。

習慣的な日光照射

習慣的な日光照射が病気のリスクを低下させるという科学的根拠が蓄積し、有力になりつつあります。「つまり、疫学の研究結果では、習慣的な日光照射は、一部ビタミンDによってもたらされる、いくつかの癌(とくに結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、そしてNHL/免疫系の癌)のリスクを低下させることを示唆していると言えます。また、比較的多く太陽の光をあびることで、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、黒色腫およびホジキンリンパ腫の転帰を改善する可能性があるという科学的根拠見つかっている」 オランダのエラスムス大学の研究はこのように結論付けています。習慣的で適度な紫外線照射がおそらく最善であると言えるでしょう。

タンニングマシンによる照射は効果がある?

研究者たちは、「特に気候が穏やかな国々では、皮膚癌を予防するために、断続的な日光照射や日焼けは避けるべきであり、それに対し、日常の中で習慣的で適度な日光照射は効果がある」と結論付けています。
習慣的で適度な日光あるいは紫外線照射は、異なるタイプの癌のリスクを低下させる為に推奨されますが、ほとんどのヨーロッパ諸国には難しいかもしれません。
1年うちの6カ月〜8カ月の間は日光が弱すぎます。また、夏であっても、現代のライフスタイルでは十分な日光照射を得られない状態にあります。現代のヨーロッパ諸国では、正しい使用方法によるタンニングマシンは十分に安全であり、必要とされる適度な日光照射を提供することができると定義づけています。

より少ない日焼け、より少ないアレルギー

他に知られている習慣的で適度な日光照射のポジティブな効果は、人間の皮膚が日光に適合するということです。生まれつきの保護機能として、日光を浴びると皮膚は厚くなり色が濃くなります。したがって、皮膚が日焼けする可能性、あるいは日光過敏症の一種である多型光線疹、慢性多形日光疹(PLE)になる可能性は低くなります。
「日焼けおよび日光過敏症は無防備な状態の肌に過度の紫外線を浴びたことによって引き起こされます。習慣的で適度な照射は、過剰な日光から皮膚自身を守る皮膚本来の機能を活性化するでしょう。」とSRF(※2)は説明しています。

※2 SRF (Sunlight Research Forum)はオランダに拠点を置くNPO法人で、人体への適度な紫外線照射の効果に関して、医学的・科学的根拠に基づいた最新知識を、多くの人々に提供することを目的にしている団体です。

 

 

出典:
Is prevention of cancer by sun exposure more than just the effect of vitamin D? A systematic review of epidemiological studies.Han van der Rhee a,⇑, Jan Willem Coebergh b,c, Esther de Vries b a Department of Dermatology, Hagaziekenhuis, P.O. Box 40551, Leyweg 275, 2504 LN Den Haag, Zuid-Holland, The Netherlands b Department of Public Health, Erasmus MC, P.O. Box 1738, 3000 DR Rotterdam, The Netherlands
c Eindhoven Cancer Registry, Comprehensive Cancer Centre South, P.O. Box 231, 5600 AE Eindhoven, The Netherlands
European Journal of Cancer (2013) 49, 1422– 1436